産経ニュース

種子を未来へ「ノアの箱船」 茨城県つくば市

室温マイナス1度に保たれた薄暗い空間に高さ9mの棚が並ぶ。動き回る機械が取り出すのは植物の種子が入ったボトルだ。
 茨城県つくば市にある農業関連研究所「遺伝資源センター」の「ジーンバンク1」。広さ144平方mの施設に保存されているのは国内外で収集したイネや豆類などの種子約16万点。連携拠点も含めると世界有数の規模を誇る。
 遺伝子組換えやゲノム編集などのバイオテクノロジーが進歩した現在、これらの遺伝資源は新たな品種改良や商品開発の素材になる可能性を秘めている。
 ところが実際は遺伝資源は世界中で消失しつつある。栽培しやすい特定の品種が農家に普及すると、これまで伝統的に栽培されていた各地の品種は失われ、限られた少数の品種しか残らなくなる。
 同センターの加藤浩センター長(60)は「種子は消えたら二度と手に入らない」と指摘し、「人類のため、次世代に引き継がなくてはならない財産」と保存の意義を強調する。
 ジーンバンクは、大洪水の前にあらゆる生物を乗せ難を逃れたとされる旧約聖書の「ノアの箱舟」にも例えられる。
 今後の気候変動や環境悪化に備え、箱舟が果たす役割はますます重要になっていくだろう。 (写真報道局 鴨川一也)

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